位置取りの解説
こんな方におすすめ!
  • 位置取りから競馬予想をしたい
  • 一風変わった予想ファクターを利用して競馬予想をしたい

競馬にはさまざまな予想方法があり、血統・ラップタイム分析などは予想家の方がよく利用するファクターだと思います。

多くの予想ファクターがある競馬ですが、今回は「位置取り」に焦点を当てた予想方法について解説したいと思います。

強い馬は競走能力が高いから強いわけですが、位置取りもその強さに貢献しているファクターの1つと考えられます。

本記事は特に「上がり3F地点通過のタイム差」を利用した予想方法について解説します。

上がり3F地点通過のタイム差とは?

私は競走馬が過去レースでどの位置から競馬をしたか分析する際、targetが導出している「上がり3F地点通過のタイム差(-3F差)」を利用します。

「上がり3F地点通過のタイム差」とは次の通りです。

上がり3F地点通過のタイム差とは?
  • 競走馬の上3F地点での位置取りを表す

  • 逃げ馬が上3F地点を通過してから何秒後に上3F地点を各馬が通過したかを示す
上がり3F地点通過のタイム差とは?

逃げ馬とのタイム差を示すため、逃げ馬の数値は0.0秒になります。

⇑目次へ戻る

競馬予想にどうやって利用する?

では、競馬予想ではどうやって利用するのでしょうか。解説していきましょう!

タイム差ごとに分類

初めに「-3F差」から位置取りを定義します。

位置取りの定義

0.0~0.1:逃げ

0.1~0.4:先行

0.4~0.8:中段

0.8~    :後方

⇑目次へ戻る

過去レースのデータと比較

過去のレースデータを条件で絞り、見える化(グラフ化)します。

「-3F差」グラフ
グラフの補足説明

横軸:上がり3Fタイム
縦軸:上がり3F地点通過のタイム差

※マーカーの色は確定着順を表す↓

マーカー色の説明
※マーカーの形は上がり3F順位を表す↓

縦軸が-3F差を表しており、上にいくほど位置取りが後ろであることを示しています。

横軸に上がり3Fを表示することで、最終直線で必要となる上がりタイムも同時に把握することができます。

マーカーの形で上がり3F順位もわかるので、タイムごとに必要な脚力の目安になります。

⇑目次へ戻る

実際のレースで実践

実際のレースを題材に「-3F差」を利用してみましょう。

今回は2022年中山「東風ステークス」(OP芝1600m)を分析します。

2022年「東風S」のオッズ

上位5頭までが単勝オッズ1桁であり、人気が均衡しています。

レース条件から適正な位置取りを求める

過去のレースデータより、馬券内にくる競走馬の位置取りを分析します。

過去データをレース条件で絞り込みし、見える化した結果がこちらです。

レース条件

競馬場 :中山

年齢制限:古馬

クラス :OP

芝/ダ :芝

距離  :1600m

馬場状態:良

RPCI    :50~55

位置取りの見える化グラフ

グラフより考察した結果がこちらです。

馬券内にくる条件は?
  • 位置取りは中段より前

  • 上がり3Fは34秒台が必要

  • 後方から馬券内にきた馬は少なく上がり3Fも33秒台が必要

⇑目次へ戻る

適正馬◎:ボンセルヴィーソ

ボンセルヴィーソの過去レースでの位置取りがこちらです。

ボンセルヴィーソの位置取り

適正馬として挙げた理由がこちらです。

ボンセルヴィーソを適正馬に指名した理由
  • 先行~逃げで好走が多数ある

  • 先行での勝ちは少ないが3着が多く粘り強さがある

  • 上がり3Fもタイム・順位の両方で必要量を満たしている

位置取り分析から適正馬として十分に推せる競走馬ですし、中山巧者というのもプラス材料です。

⇑目次へ戻る

危険馬?:タイムトゥヘブン

タイムトゥヘブンの過去レースでの位置取りがこちらです。

タイムトゥヘブンの位置取り

危険馬として挙げた理由がこちらです。

タイムトゥヘブンを危険馬に指名した理由
  • 逃げ先行で好走しているが、2,3歳時の成績であり信頼性が低い

  • 近走は後方からの競馬が多く、重賞で3着にくるなど差しのかたちで好走している

騎手もテン乗りの横山和騎手であり、先行で競馬をさせるとは考えにくいです。

⇑目次へ戻る

レース結果と振り返り

結果をみていきましょう!

見事適正馬に指名したボンセルヴィーソが勝利しました。

逃げ馬はベレヌスで、RPCI53.2とスローペース寄りの逃げになりました。

2022年「東風S」のレース結果

ボンセルヴィーソは好スタートを決めた後、2番手の好位でベレヌスを追走しました。

-3F差は0.5秒で数値的には中段の位置取りになっています。これはベレヌスが離した逃げをしたからです。

ただ、通過順は2番手で他馬と相対的に見れば先行なので、予想通りの位置取りでした。

上がり3Fも34.1秒で、過去レースと比較しても位置取り的に優秀なタイムでした。

一方、タイムトゥヘブンは-3F差が1.2秒で後方からの競馬になりました。

ペース的にも落ち着いた流れになったため、最後まで前を捉えきれず末脚も発揮できないままゴールしました。

⇑目次へ戻る

まとめ

上がり3F地点通過のタイム差から、位置取りを利用した競馬予想について解説しました。

位置取りはレースの流れによって重要度が増すファクターです。

その位置取りをデータから分析し見える化することで、人気のない適正馬を見つけることができました。

これまで解説したPCI・RPCIと組み合わせることで、分析の質がさらに向上するので是非試してみてください!

⇑目次へ戻る